カウンセリングの実際 ~幸せなパートナーシップへの道~(その16)

【連載ブログ】カウンセリングの実際 ~幸せなパートナーシップへの道~(その16)

<問題はギフトを持ってやってくる(1)>

心理学には「問題を乗り越えたら宝物がやってくる」という言葉があります。

問題は、今の自分や、パートナーとの関係を変えていくきっかけを与えてくれるもの。

問題は人生に深く関わることだけに、人としての成長や、成熟していくための様々な要素を磨きあげてくれる。つまり、自分を磨き、成長させてくれる大チャンス!なのです。

今、問題があるだけでなく、過去に問題があって傷になっていることでも、それを癒し乗り越えた時には、すべてがギフトになります。

そして、僕が問題を乗り越えた時に得たギフトとは、自分の本当に生きたい人生でした。

「ある問題で悩み苦しんだ末にそれを乗り越えた時、今度は、同じような問題を抱えた人を助けることができる。」

カウンセリングの勉強をしていく間に出会った言葉です。

夫婦の問題は、我々を苦しめるためにあったのではなく、様々な傷や誤解で覆い隠されていた、どんなに相手を純粋に愛しているか、どんなに情熱を持っているかを真に気づかせてくれるために存在していた。その実感は僕を大きく変化させました。

そしてその変化に敏感に反応して、奥さん自身も変化していったのです。

そのうち、奥さんもカウンセラーの勉強をし始め、今は二人目の子どもに恵まれて子育てで中断していますが、将来的には、今よりも幸せなパートナーシップを築き、その上で「自らが乗り越えたて得た経験を活かし、今度は同じ悩みを抱えた人が乗り越えるお手伝いをしていきたい」という、僕達夫婦の人生のビジョンになっていったのです。

僕たちは、あの時、お互い別々の無人島にいました。そこには誰もいません。誰もいないところで幸せを感じることはできません。人がいるから幸せも不幸も感じる。何をしても感じなかった我々は、まさに文字通り無人島にいる二人でした。本当に孤独だったのです。

けれど、そうした状況を乗り越えた今だからこそ、「幸せは人間関係の中で生まれる」ことを心の底から感じることができるようになったのだと思います。

問題があったからこそ、今の自分がある。だから恩返ししたい。同じように苦しんでいる人のお手伝いがしたい。

僕たちは、二人でそう思うようになりました。

(17)問題はギフトを持ってやってくる(2) へ続く

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