例えば、突然、夫が離婚する!と言い出してしまったような時。
妻としては、意味がわからなくて、その理由を問いただします。
その答えが「いつもいつも君は俺を責めることばかり言う!」だったとしたら。
そして、妻にしてみれば、そんなことした覚えがない!と驚くことになったとしたら。
ここには二人の大きなすれ違い、思い違いが存在しています。
そもそも、夫というのは、妻からの言葉に対して「自分が責められているんじゃないか」と感じやすい生き物なんです。
このベースに、すれ違いの状況が重なると、妻の何気ない言葉に、夫は自分が責められていると勘違いを膨らませていくことがあります。
今回はそんなお話です。
浮気だったり、離婚だったり、夫婦にとって大きな危機的な問題が起こった時。
これをきっかけに、今まで話せていなかったお互いの気持ちを伝え合うことになる場合があります。
すると、お互いが相手について誤解していた事実がわかり、それに困惑してカウンセリングの門を叩かれる方もたくさんみえます。
相手の心理がわからなくなるため、不安になって、これからどう接していけばいいかわからなくなるからなんですね。
例えば、突然、夫が離婚する!と言い出してしまったような時。
妻としては、意味がわからなくて、その理由を問いただします。
当たり前ですよね。
ところが、こうした場合の男性は、理由を言ってくれず、離婚するの一点張りだったりすることが結構あるんです。
それでも、何とか妻が夫をなだめすかしたり、謝ったり、様々なあの手この手を使って、気持ちを聞き出すことができた時に出てくるセリフは、
「お前は俺のことが嫌いなんだろう!」
だったりします。
これ、妻にとってみたら、意味がわからないんですね。
だって嫌いじゃないから。
ところが、それを夫に伝えると、さらに怒ってキレたりします。
ますます意味がわからない、と妻は困惑します。
こうした状況、つまり、夫の言い分が妻には理解できずにすれ違って、相手がそのことでますます怒る、というのはよくあることなんですね。
ここでは何が起こっているかというと、ベースにあるのは
「妻の言葉にいちいち夫が責められていると感じていた」
ことだったりするのです。
男性というのは、パートナーの言葉を「責められている」と感じる傾向があります。
なぜかというと、男としてパートナーを守っていかないといけない、だからしっかりしないといけない、役に立たないといけない、と思っているからなんです。
そのプレッシャーがいつもあるために、妻が不満そうにしていると「自分が役に立たないからじゃないか」と不安になったりするんですね。
これ、ほとんどが無意識で感じていることなので、男性自身も自覚できてない場合が多い。
二人の関係性が良好な時は大丈夫なんです。
でも、結婚生活や付き合っている期間が長くなれば、いつまでもロマンス気分ではいられませんから、小さな不満とか文句はお互いに出てきて、それを口に出したりするようになるもの。
また、お互いに慣れてきますから、遠慮がなくなったり、時には愛情にあぐらをかいてしまう例えのように、どんな振る舞いをしても相手との関係が壊れることはないだろうと思ってしまっている場合もあります。
こうした状況の時に、妻が仕事や育児などで手一杯になってしまうなど、夫にかまっていられなくなったりすると「止む得ず」夫を放ったらかしにしてしまったりします。
すると夫はとても寂しい思いをしますので、それを状況的に仕方がないと理解できればいいのですが、なかなかそんな風には受け取れなかったり、頭ではわかっていても感情が納得できなかったりして、イライラが募ってきます。
その時の夫は自覚、無自覚、両方のケースがありますが、
「自分は妻に愛されてない」
「それは自分が役に立てるような男じゃないからだ」
と感じていたりします。
このような状況下だと「妻の言葉にいちいち責められていると感じる」気持ちが大きくなってしまうのです。
繰り返しになりますが、そもそも男性というのは
「男としてパートナーを守っていかないといけない、だからしっかりしないといけない、役に立たないといけない」
と強く、無意識で思っていて、だからこそ
パートナーの言葉を「責められている」と感じる傾向が強い
わけです。
すると、愛されてない、役に立ってないと感じやすい状況では、些細な言葉に傷ついたり、責められていると勝手に感じてしまうのですね。
例えば、
・忘れ物をした夫に「最近、忘れ物多いから気をつけてね」と言ったこと
・買い物を頼んだら、頼んだものと少し違っていて「これじゃなかったのに」とぼやいたこと
・服を脱ぎっぱなしだったことを「ちゃんとハンバーにかけてよ」と言ったこと
どれも、妻からしたら、相手を傷つけるつもりも、嫌いだから責めているつもりもありません。
全く、これっぽっちもありません。
ところが、夫にとっては「責められている」言葉に聞こえているんですね。
この蓄積が「突然、離婚だ!」につながっているんです。
妻からしたら意味のわからない話も、夫の中では全部繋がっています。
夫の心の中ではたくさんの怒りだったり傷ついた思いだったりが蓄積して、自分の中で「離婚するしか解決方法はない」と自らを追い込んで自己完結してしまっているので、何を言っても無駄な状態なのです。
妻である女性の方がご相談にこられた場合に、相手の男性の心理について、こんな解説をさせていただくと、その反応は
「そんなこと言われたら、何も言えなくなっちゃうじゃないの!」
「バカじゃないの!」
「自分で勝手に思い込んで、自分で勝手に結論出すな!」
「単細胞すぎる!」
「そう思っているならもっと早く言ってよ!」
と怒ったり、呆れたりされます。
そりゃそうですよね。こんな話。
でも、大切なのは、夫との関係を良くしたいと思って、わざわざカウンセリングを受けてくださっていること。
本当に怒っていたり、呆れていたりしたら、自ら離婚しようと思うはず。
そうではなくて、関係を取り戻そう、良くしようと思っているということは、どんなに夫が無茶を言っていても「私のせいで夫は離婚を言い出したんだ」と自らを責めているからなのです。
大切なのは、妻の言葉に夫が責められていると感じる「背景がある」ということ。
ほとんどの場合、それは忙しすぎて余裕がなかったり、仕事や家事や育児に対する責任感からくるプレッシャーだったり。
こうした緊張感や余裕のなさが、相手との距離を遠くしているからなんですね。
でも、カウンセリングを受けたり心理学を学んだりしてなければ、そんな風にはなかなか思えません。
手順としては以下のやり方をやっていきます。
1.夫の態度が悪くても、それに怒っているだけでなく、自分を責めているから苦しいのだと気づくこと。
2.仕方がないきちんとした理由があって、夫のことを見てあげられてなかったのかもしれない、と思うこと。
3.自分が責めるつもりがない言葉を、いちいち責められていると受け取っていたのだ、と理解してみること。
自分を責めてるんですよ!とお伝えしても、自覚がない方が大変に多いのですが、ちょっとこの視点を持ってみようと思ってみてください。
もし少しでも気がつけたら、それっていかに愛情が大きいか、という証拠、と思ってあげてください。
こうやって整理していった後は、具体的に夫にアプローチしていきます。
夫は、何でもかんでも責められていると受け止めてしまうわけですから、逆をやればいいのです。
それは、
・ほめること、労うこと、感謝すること。
・いってらっしゃい、お帰りなさい、などの声をかけること。
・何も言わなくてもいいので、いつも見てあげること
時間はかかりますが、この積み重ねが夫の固い心を少しずつ開いていきます。
必ず、自分を責めてないかを確認しながら、やっていってください。
そのためにも、自らが休む、気分転換する、ゆるむことを取り入れながら、
相談できる、気持ちを話せる人に話を聴いてもらうことがやりやすくしていきます。
(※アメブロ「恋愛テクニック」月曜カップルカウンセリング(2017.2.20)関連記事)