浮気した夫の心を取り戻すための最初のステップ~「見る=与える」という愛情表現の効果~(2)

二回連載の後編です。

「夫のことを見てあげる」

ここでの「見る」とは、私たちの心理学でいうところの「与える」ということを表しています。

「与える」とは、なかなかに深いものではありますが、

「自分の痛みより相手の良さを見てあげること」

単に見るだけではなく、あなたがどんな思いで見るか、ということが大切なポイント。

この視点を持っている時、実は、あなたの方がすでに変化した状態で相手のことを見ることができています。

見ることで夫が変わっていくとしたら、それは、あなたが変化したことに反応しているということなのです。

このやり方で実際に夫を見ていくとどんなことに気づいていけるのでしょうか。

前回の記事はこちらへ

>>>「浮気した夫の心を取り戻すための最初のステップ~「見る=与える」という愛情表現の効果~(1)」

クローバー:pexels-photo-3876633

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇今、改めて夫の行動・様子を見るということ

夫婦関係を良くしていきたいと願ってカウンセリングを受けてくださった方に、私は

「普段のご主人の行動・様子を見てください」

「見るという表現がわかりにくければ、観察してみてください。」

と提案させていただきます。

恨み辛みや痛みが大きいと、相手の顔を見るのも嫌になります。

けれど、それでも夫との関係を改善したいという意欲があれば、見ることは可能です。

仕事から帰ってきた夫が、玄関に入ってきてから、家のどこを通って、何をして、どこに行くのか。

見て、観察して、どんな様子なのかを見ます。

例えば、浮気が発覚以来、自分の部屋に閉じこもって食事も外で食べてくる夫。

帰宅して靴を脱いで、洗面台で手を洗ってうがいをして、そのまま自分の部屋に閉じこもってしまう。

家族が寝静まってからお風呂に入って、冷蔵庫を開けてビールを持って部屋に戻る。

つまみは帰りがけにコンビニで買ってきている。

買ってくるのは柿ピーが多い。

朝は家族が起きてくる前に足早に顔を洗って出かける。

会社に持っていく小さな水筒に毎朝自分でコーヒーを入れて持っていく。

水筒を家の台所で洗った形跡はないから会社で洗っているようだ。

こんな話をしていると、嫌な気持ちになるご相談者も多いのですが、

「夫婦なのですから、関心を持って、思いを込めて見ても良いはずですよ」

とお伝えします。

実際に、家に帰って、夫を見ることにチャレンジするとどうなるのでしょう。

日々の行動や様子を見ていると、夫の顔の表情や、雰囲気もわかってきます。

仕事が忙しそう、ストレスが溜まってそうだとか。

今日はちょっと楽そうな顔してるな、とか。

足取りが重い、軽い。

雰囲気が暗い、明るい。

そうやって見続けていると、気がつくことがたくさんあるのです。

いつも帰宅したら「うがい」してたんだ。知らなかった。

仕事が忙しいと怒ってばかりいると思ってたら、明るく帰ってくる日もあったんだ。

私の「見る」提案を実際にチャレンジしてくださった方は、こんな言葉をよく使われます。

「私、最近、全く夫のことを見てなかったんですね。」

相手に関心を持って見てあげると、自分のことも見えてくるのですね。

◇あなたが見続けると相手はは何かを感じ反応し始めます。

「関心を持って見られる」と夫は何かを感じ反応を始めます。

それは愛情が伝わるということですから、浮気をした夫は罪悪感を刺激されます。

時にそれは今よりもっと悪い態度を引き起こします。

「なにをじろじろ見てるんだ!」と怒り出したり

なんでもないことに腹を立てたり

夫からこんなこと言われたら誰だって嫌な気持ちになりますが、

自分の影響力の結果なのかな?と思って、さらに見てあげたり、相手の気持ちを考えてあげたりしてみてください。

「私が関心を持って見ていたからなのかな?。だから良い悪いは別にして反応があるのかな?」

「もしかして、本当に見られるの嫌なのかな?。だったら、どんな風に見守ると夫は楽なのかな?」

人によっては、素直に態度が軟化していく場合もあります。

すぐに反応する人も、長く無反応な人もいます。

場合によっては気長に待ち続けなければならないこともあります。

見る効果は段々と出てくることも多いのです。

いずれにせよ、妻からの好意的な視線は、夫の心に届いていきます。

見続けていくと夫との心の距離は少しずつ縮まっていき、会話が戻り、そして大切な話もできるようになります。

関心を持って見る、思いを込めて見ること。それは一つの愛情表現です。

これは、夫から愛されていなかった、という視点から、私が彼への愛を止めていた、という大きなマインドの方向転換を表しています。

その愛情が夫の心を取り戻すきっかけになり、夫婦二人が向き合えるようになり、夫の気持ちが戻ってきて、以前よりも絆が深くなる。

夫婦問題を乗り越えた方は、こうしたプロセスを通ってきています。

あなたが自分の痛みを見ないで相手を見てあげる時、相手にはあなたの痛みではなく愛情が伝わります。

するとそのことで、相手の中にある、あなたへの愛情が反応して、今度はあなたに向かって相手が愛情を送ってくれるようになる。

これが「与える」ことの効果であり「与えると受け取ることができる」と言われる理由です。

とても勇気がいりますが、効果は絶大です。

あなたの中にある愛情に自信を持って「見る」ことにチャレンジしてみてください。

 

タイトルとURLをコピーしました