今まで一生懸命やってきたけれど、もう何をやっても無理、という状態。
燃え尽きた、という表現がありますが、まさにそんな感じ。
辛い、というより、あきらめ、絶望という感じ。
こうした状況のことを心理学では「デッドゾーン」と呼んでいます。
「デッドゾーン」の意味と抜け方についてのお話、その2回目です。
前回は、「真っ暗闇の中に出口があることを知る」そのために「誰かに真に頼る」ということを書かせていただきました。
前回の記事は>>>デッドゾーンってどういうこと?(1)
◇「生まれ変わりのステージ」
「デッドゾーン」の中にいる方は、「まるで死んでしまったような苦しみ」と表現される方が少なくありません。
燃え尽き、あきらめ、絶望。
そう表現される「デッドゾーン」ですから、ある意味、この感覚は当たり前とも言えるでしょう。
でも、心理学では「デッドゾーン」のことを、こんな風にも表現しています。
「デッドゾーンとは、『生まれ変わりの時』」
誕生の時は、一度苦しみを抜けていくように、この「死んでしまったような苦しみ」は、「新しく生まれ変わるためのもの」、という考え方もできるのです。
この視点は、前回お話した「真っ暗闇に出口がある」ことにつながってきます。
真っ暗闇にいる時、私たちは、そこにわずかでも「希望」が必要です。
そうでないと、進んでいこうという気持ちになれません。
「必ず出口がある」らしい
「ここから抜け出したたくさんの人の実例がある」らしい
「生まれ変わりの時」らしい
「デッドゾーン」のまっただ中にいる時は、出口があるなんて思えません。
だから「らしい」で十分なんです。
前回お話しましたように、「デッドゾーン」に至った理由のひとつは「一人でやらねばならない」という自立した感情です。
そうすると、「この状況を変えられない」ことに、イライラを感じることもあります。
そして、イライラすら感じられない、時もあります。
これは、どちらにしても「できない自分を責めてしまっている」状態なんですね。
だからこそ、「らしい」くらいで十分なんです。
◇「今までのやり方を変える」
弱音が吐けない、一人でやらねばならない。
そのために「デッドゾーン」に陥ってしまっているとしたら、それは「自立的な生き方」を変えるチャンスともいえます。
いつも、今までずっと「一人で全てを背負ってきた」私。
それができなくなると
「できない自分はダメだ」と「自分を責めてきて」私。
いつまでこのやり方で、自分を苦しめ続けるのでしょう。
もう、限界なんですね、このやり方は。
もう限界だから、いつまでも自分をこんな目に遭わせたくないから。
その思いに至った時、やっと「このやり方をやめよう」と思います。
今までのやり方をやめて、新しいやり方ができるようになる。
だから、「生まれ変わりの時」と言われるのです。
まずは、自分で気がつけないほど溜め込んだ思いや、苦しみを整理すること。
そして、自分で気がつけない「弱音」を話そうと思うこと。
もし、ここまで思いが進んだら、カウンセリングを使ってみてください。
あなたが気づけなかった本当の弱音に気づくことは、その弱音を誰かに話し、助けを求める大きなきっかけにつながります。
そのことによって、この真っ暗闇の中に出口を見つける足がかりになっていくことも多いのです。
その3に続きます>>>◎デッドゾーンってどういうこと?(3)
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