【使ってみよう!心理学の基礎知識】「デッドゾーン」ってどういうこと?(3)

今まで一生懸命やってきたけれど、もう何をやっても無理、という状態。
燃え尽きた、という表現がありますが、まさにそんな感じ。
辛い、というより、あきらめ、絶望という感じ。

こうした状況のことを心理学では「デッドゾーン」と呼んでいます。

「デッドゾーン」の意味と抜け方についてのお話、その3回目です。


これまでの記事はこちらへ
>>>デッドゾーンってどういうこと?(1)
>>>デッドゾーンってどういうこと?(2)

◇「気づく」というやり方

「デッドゾーン」にいることに気づき、「弱音を吐けない、一人でやってきたこと」に気づき、そしてようやく「「助けを求める」ことができるようになった時。

カウンセリングでお話をさせていただく中で、ここまで進んでいくと、みなさん必ず言われるのが

「どれだけ自分が我慢して、がんばろうとしていたか、やっと気づいた」
「どれだけ自分だけの力でやろうとしていたか、やっとわかった」

こうした感想です。

そして、こうした「気づき」は、単に「気づく」だけなのにも関わらず、「本当に楽になった」という感想を言われます。

でも、だからといって、問題や苦しい状況は変わったわけではありません。

それでも、

「苦しい気持ちをここで聞いてもらえる」
「一人でやらなくても、誰かに頼って、一緒に考えてもらえる」

この感じだけで、本当に楽になれるのですね。

例えば、浮気などでパートナーと離婚や別れの問題になって苦しんでいる時に、カウンセリングを使われて、相手の心理や自分の心の整理を進めていかれた時。

当然、カウンセリングに来られた時は「デッドゾーン」にはまっていて、苦しみのまっただ中。
そして、これも当然ですが、「相手への恨みつらみ」を抱えて来られます。
つまり、「今の苦しみは、相手のせい」になっているのですね。

ところが、先にも書かせていただき、これまでの連載でも書かせていただいたような「気づき」があると、自分の心に意識が向いていきます。

「今の苦しみは、相手のせいではなく、弱音を吐けない、一人でやりきるという、自分の生き方が生んだのかもしれない」

そう思った時。
それが「デッドゾーン」から抜けていく大きな一歩になります。

なぜなら、「相手や状況が変わらない」ことに苦しみ抜いていたことが、「自分の心を変えることが、道を切り開く方法かもしれない」と思えるからです。

相手は変えられなくても、自分は変えられるかもしれない。
しかも、その変え方は「誰かに助けを求めて、楽になる」というやり方だとしたら。

ある意味、発想の逆転、と言えるかもしれません。

こんな風に考えられるようになると、次の「デッドゾーン」を抜けるための方法を使えるようになってきます。

◇「ビジョンを描く」というやり方

苦しみを抜けるのに有効なのは、抜けた後のゴールを思い描くこと。

ここに行きたい!こうなりたい!という具体的なイメージがあれば、ゴールに向かっていくモチベーションになります。

先の例の続きで書かせていただくと、今、夫婦問題で苦しんでいる二人には、付き合ったばかりの頃や、結婚したばかりの頃が必ずありますよね。

その頃、二人でどんな夫婦になろう、とか、どんな人生を歩みたいか、とかを語り合った記憶はありませんか?

それを思い出して、紙に書き出してみる。
そして、今の新しいバージョンに書き直したり、加筆したりする。

もし、そんなことを語り合った記憶なんてない!と言われる場合は、これからの二人の幸せを思い描きます。

ポイントは、こんなところにあります。

・私が幸せを感じるのは、どういう時?
・自分が「ワクワクドキドキ」するのはどんな時?何をしてる時?
・どんな自分に成りたい?どんな二人になりたい?
・二人でやりたいこと、行きたい場所は何?

なかなか思い浮かばないときは、モデルになる人や夫婦を探してみてください。
著名人、芸能人でもオッケーです。

最初は、夢物語のように感じるかもしれません。

でも、心の中になりたいイメージを描くことは、とても大切なこと。
スポーツ選手がイメージトレーニングを取り入れているように、有効な方法のひとつなんですね。

何より、こうなりたい、とビジョンを描くことで、気分もよくなり、心が楽しく、豊かになります。

そのためには、そう思えるように心を整理すること、一人でやろうとしないで助けを求めること、が
やっぱり大切になります。

そんなお手伝いがさせていただけたら、と私はいつも思っています。

よかったら、あなたのお話をお聞かせください。

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