【連載ブログ】カウンセリングの実際 ~幸せなパートナーシップへの道~(その14)
様々な大きな問題を抱えている時、苦しい状況でも先を見続け、それを乗り越える原動力があるとしたら、それは何でしょう。今回は、その原動力に迫ります。
<その14:コミットメント/選択する(1)>
様々な大きな問題を抱えている時、苦しい状況でも先を見続け、それを乗り越える原動力があるとしたら、それは何だと思われますか?
本当の自分の気持ちや感情に気がついた時、どうしていいかわからなくなります。その時に大切なのは、これからどうするかを選択することです。
例えば、夫婦の問題がある時には必ず離婚をするか結婚を続けるかを選択する時期がやってきます。
その時の選択とは、離婚するにせよ、続けるにせよ、自分がそうしたいかどうか、というレベルではなく、するかどうかを決めることを指します。
大きな問題を抱え、それを解決しようとカウンセリングを受けることを決意する時は、この選択や決意をするタイミングでくることがあります。
僕がカウンセリングを受けた時も、まさに、自分達がこのままの夫婦生活を本当の気持ちを隠したまま続けていくか、本当の気持ちに気づいて距離を縮めて絆を取り戻すのかを選択する時でした。
もし、あの頃のまま夫婦でいたのなら、恐らくどこかで破綻していたのではないかと思います。
カウンセリングの現場の中で、離婚問題のご相談を受けることは多くありますが、ご相談にこられる方は、どれだけ口で離婚したいと言われる方でも、心の中では「離婚したくない、やり直したい」と思っておられます。
なぜなら、本当に離婚したい方は、カウンセラーのところではなく、弁護士のところに行かれるからです。
そうしないで我々カウンセラーのところにご相談にこられるのは、言ってみれば、夫婦としてのやり残しがあるからです。
こうした本当の気持ちに気づき、それを選択し続けることを決意することを「コミットメント」と言います。
それは、自分の痛みを大切にするか、相手を大切にするかの選択です。
パートナーシップの問題は、相手と向き合うことが解決方法だと言われます。
そのためには、まず、自分から本気で相手と向き合おうと決意することが必要になるのです。
なぜなら、本気でのぞんだら、その時やっと、相手は本気で考えはじめるからです。それが「向き合う」ということなのです。
向き合っていない状態とは、安全な範囲でコミュニケーションしているだけです。この距離が問題を作り出す隙間になります。
浮気などの他の誰かに気持ちが流れてしまう場合には、この隙間が入り込むスペースを作っているからです。
これを打破するには、リスクを冒す、危険ゾーンに飛び込まないといけなくなります。これは本当に勇気がいることで、それこそ命がけです。
命をかけてもこの人と人生をやっていきたいと思うかどうかの決断がそこにはあるのです。
(15)コミットメント/選択する(2) へ続く