【連載ブログ】カウンセリングの実際 ~幸せなパートナーシップへの道~(その2)
<カウンセリングとの出会い>
僕がカウンセリングに出会った時の僕たち夫婦は、恋人として11年つきあい、それから結婚して7年目を迎えた時でした。
その頃の僕たちは、周囲の友人達から理想の夫婦と言われていたのです。
実際、仲良かったし、喧嘩もしないし、僕たち自身もうまくやれていると思ってました。
今振り返ると、当時の我々の一番の問題は、「問題があることに気がついていなかった」ということにあったと思います。
表面では問題ないように見えて、心の底ではお互いボロボロになっていたんですね。
そんな時に、ひとつの出来事がありました。
僕の友人で、家族や恋人の問題でとても悩んでいる人がいたんです。
僕は時々その友人の相談に乗っていましたが、どんどん悩みは深くなり、ついには、もうこれは入院するしかないんじゃないか、と思えるほどひどい状態になっていたんです。
僕には何もすることができず、ただ、話を聞くだけで、自分の非力さにとても悲しくなりました。
ところが、しばらく経ったある日、久しぶりに会いたいというその友人と再会して本当に驚きました。
あんなに悩んでいたことが嘘のように明るく笑顔になっていたのです。
僕は驚いて何があったのかを尋ねてみました。
すると友人は「とても良いカウンセラーに出会い、そのカウンセリングのおかげでとても楽になったのだ」と語りました。
友人が元気になったことを喜ぶ一方で、カウンセリングというものの効果を、身近な具体的な事実として目の当たりにしたことは、大きな衝撃でした。
というのも、僕は学生時代からカウンセラーという職業にとても興味を持っていました。
けれども、その仕事を選ばなかったのは、カウンセラーが人を救えるのかという疑問が晴れなかったからなんです。
当時は今ほど心の問題が社会的に認められていなかったこともありますが、その後、いろいろな本を読んだり情報を集めてみても、そもそもカウンセリングというもののイメージがわかりにくかったし、たまにあるPRをみても、胡散臭いとしか思えませんでした。
なのに、今、こうしてまさに元気になった友人が目の前にいる。
死んでしまいそうなほど苦しんでいた友人の変化は、僕の心を大きく揺さぶりました。
そして、以前にやめてしまった、カウンセラーへの道を歩んでみたいと思うようになったのです。
けれど、今思い返せば、この時に僕の心がこれほど大きく揺さぶられたのは、カウンセラーになりたいという思いよりも、「僕のことも助けてほしい」という心の叫びだったのです。
心の奥底に長い間慎重に閉じ込めていた思いが、心の外に出ようとしていました。
(3)僕たち夫婦の恋愛観 へ続く
* * * * * * *
【池尾昌紀・池尾千里による「カップル・カウンセリング」のご案内】
詳しくは>>>こちらをご覧ください