執着を手放すということは、誰かや何かを忘れることができて楽になれるということではありません。
別れを経験することで、そこから学び、成長していくことで、新しい自分が手に入るということなのです。
その結果、執着していた苦しみから楽になれる、ということなんですね。
別れた彼を思う時、別れ話をされた時、いずれの場合も苦しみの元は「後悔」です。
・もっと彼の話を聞いてあげればよかった。
・私がわがままを言いつづけなかったら。
・拘束するようなことをしなければ。
そんな彼にしてしまった後悔。
それだけではなく、当時は気づかなかった自分自身に対する思いに気づけることもあります。
・自分の気持ちを素直に話せなかったんだ。話しておけばよかった。
・私が我慢しすぎていたなんて気がつけなかった。それで彼に負担をかけてたなんて。
こうした後悔を元に振り返っていくと、自分を責めることになってしまいます。
自己攻撃は苦しみしか生み出しません。
しかし、あなたが心から望んでいるのは自分を責めて苦しむことなのでしょうか。
本当の願いは
「彼も私も幸せであること」
ではないでしょうか。
ここにいつも戻ってみてください。
そうすると、執着している事よりも、お互いにとって一番何が大切なのか、最良なのか、という視点が生まれてきます。
まずは、自分がバーションアップしていくことを目標にしていきましょう。
私のクライアントさんの中には、失恋や離婚の苦しみからカウンセリングを使い始めて、自分が癒され、自己価値が戻って魅力を取り戻しながら、新しい恋や再婚に至った方が何人もみえます。
そうした方が必ず言われるのが
「あの別れがあったから今の自分になれた」
という言葉。
ただ別れたのではなく、別れを経験し、そこから学び、成長していこうという思いがあったからこそ得られた体験です。
それができたのは「自分の幸せ」を元にしていたからなんですね。
時には「彼の幸せ」を願う気持ちが支えになったりします。
私が離れることで、彼が楽になれるのならば、という思い。
それは同時に自分も楽になれる、幸せになっていける道につながっていく。
もともと進む道が違っていたことがわかった時には、お互いが別の道を歩く方が二人の幸せに繋がることもあります。
この思いを元に「後悔」を振り返った時には、
「そこにどんな意味があり、次からはどんな自分になっていこうか」
という思いで見直すことができます。
すると自分を責めることを減らせるし、責めてしまう自分に寄り添えます。
もちろん、すぐにはうまくできません。
後悔したり、自分を責めたり、悲しかったり苦しかったりが波のように繰り返しやってきます。
しかし、前向きな気持ちも折々にやってくるようになります。
そうした波と付き合いながら、段々と変化していくものなのです。
後悔していること、うまくいかなかったことには、必ずきちんとした理由があります。
そこを理解して、自分をバージョンアップしていくことを目指していくことで、手放しは進み、そして自分が変わることを手に入れることができる。
別れを経験することで、そこから学び、成長していくことで、新しい自分が手に入るというのは、こうした意味なのです。