悪い態度の誰かとの関係を改善したいと思った時。
そのための方法は、
悪い態度=拒絶の態度と思うのではなく、
「悪い態度=つながりたいけどそれを諦めている心理」
であることを理解するところから始めていくことです。
しかも、それは相手の問題だけではなく、あなた自身が似た感情を持っていることもあるのです。
心の世界では
「分離が問題を作り出す」
といいます。
「私たちは『つながり』を感じられない時に問題が起こる・起こす」
のですね。
◇悪い態度はつながることへの拒絶ではなく「つながりたいけどそれを諦めている」心理
例えば、職場で嫌な態度の同僚がいて、あなたが「こいつ嫌な奴だな」と思っているとします。
嫌な態度の人は誰だって嫌なわけですが、この人間関係を改善する方法というのが
「つながり」
なんです。
あなたが嫌うのは当然だったとしても、もしこの関係をよくしたいと思うのなら
「相手が拒絶しているかどうかはともかく、自分から『つながり』を持ってみよう」
そう思うことで、相手との関係性が変化する可能性をもたらします。
態度の悪い相手は誰かと「つながり」を持とうとしていません。
しかし、それは深層心理では「つながりを持ちたくない」わけではないのです。
「どうせ自分なんて人に好かれない嫌われ者だ」
こんな風に自分のことを思っていたりします。
つまり「好かれたいけど自分には人に好かれるような価値はない」と思い込んでしまっているんですね。
嫌な態度の下にこんな隠れた思いがあるとしたら。
それって実は辛いだろうな、悲しいだろうな。
こんな視点で相手を見ることができると「つながり」という可能性を見つけることができます。
悪い態度はつながることへの拒絶ではなく「つながりたいけどそれを諦めている」心理なのです。
◇つながれないのは相手だけなのだろうか。
この話は、悪い態度の誰かとつながりを作っていくヒントになるわけですが、もっと大切なのは、
「つながりを諦めているのは相手だけではなく、私自身にも当てはまるのではないか」
という視点です。
もし、あなたが寂しさや、悲しみや、不安を感じているとしたら、それは「あなたが誰ともつながらない」ことを選んでいるのかもしれないのです。
悪い態度の同僚が、実は「自分には価値がないから、つながろうとしてくれる人なんて誰もいないに違いない」と思って、つながりを諦めてしまったことと、同じことをあなたがしているかもしれません。
「毎日前向きにがんばってきて、職場では笑顔を忘れず、やりがいを持ちながら働いている私。
でも、ふっとした時に、寂しくなったり、悲しくなる。
そんな自分が嫌だから、ネガティブな思いは感じないようにして、ポジティブなことを考えるように切り替えていく。」
例えば、こんながんばり屋さんの寂しさと悲しみ。
職場での態度や姿勢は間違っているわけではありません。
でも、こうしたタイプの方に抜けやすいのは「一人でがんばってしまう」こと。
ここには「がんばらないと嫌われる」「がんばらないと愛される価値がない」という心理が隠れていることもあるんですね。
こうやって考えてみると、悪い態度の誰かとは真逆のようにも思えますが、実は、心の奥底では同じだったりします。
自分に価値を見ていないので、愛されないと誤解してしまっているところが似ているんですね。
悪い態度の誰かとの関係を改善しようと思った時。
相手の本当の気持ちを理解すると同時に、あなたの中にも同じ気持ちがあるのかもしれない、と思ってみてください。
そのことによって、その誰かの気持ちはずっと理解しやすくなるし、つながり合える可能性を感じられるはずです。
まずはあなたが自分を一人にさせないこと。
一人で抱えないで、誰かに手伝ってもらう、信頼できる人に少しずつでも気持ちを話してみる。
話しやすい人を選ぶことがポイントです。
カウンセリングやワークショップを使って、誰かとつながる練習をするのも一つの方法です。
まずは、こんな視点を持ちながら、日常を過ごしてみてください。
何かヒントが見つかるはずです。