【連載ブログ】カウンセリングの実際 ~幸せなパートナーシップへの道~
<その13:ビジョンを描く(2)>
僕は、カウンセリングを受け始めた時と時同じくして、カウンセリングサービスの母体である「神戸メンタルサービス」でカウンセラーになるべくカウンセラー養成コースを受講しはじめました。
この連載の(その2)で書かせていただいておりますが、当初、僕がカウンセラーを志していたのは、誰かを癒したい、という思いよりも、自分が癒して欲しいという思いの裏返しだったように思います。
ところが、実際に、この養成コースで具体的にカウンセラーになるための学びを重ねるうちに、いろんなことがわかってきました。
まず、カウンセラーという仕事は、本当に一生をかけて取り組むに値する仕事であると気がついた事。
そして、その情熱が僕自身の心の中にあるということ。
この思いは、知識や技術を学ぶということもさることながら、最も大きな影響を与えてくれたのは、入った当初はまるで自分に価値をみいだせなかった僕に対して、多くの仲間達が「君には価値がある」と何度も何度も教えてくれたことです。
こうした仲間がいなければ、今の僕はいないといっても過言ではありません。
そのうちにカウンセラーという職業が本当に自分がやりたい仕事であることに気がついていきました。
僕は、幼い頃から、自分に本当に向いている仕事や心からやりたいと思う仕事が何なのかをずっと思い描いてきましたが、結局、大人になってもそれはわからず、そんな仕事は自分には出会えないとあきらめていました。
ところが、人生も半ばをすぎてから、ここにきて初めてそうした仕事に出会うことができたのです。
この出会いは、僕個人の生き方だけでなく、夫婦のこれからの生き方につながることになりました。
僕にとって幸いだったのは、ブロックを外すことと、将来の夢=ビジョンを描くことが、どちらもカウンセラー養成コースを学んでいく中で同時に得ることができたことでした。
子どもを得、夫婦の絆を得ることができたのは、僕のゴールがそのもっと先、夫婦で愛し合い、子どもとともに幸せな家庭を築きながら、二人で心を扱う仕事をして、困っている人のお手伝いがしたいというビジョンを描けたからなのです。
結婚する事がゴール、子どもが生まれて家族ができることがゴール。
到達する目標がそこまでしか設定されていないと、心は、到達すると終わってしまうと判断して、その目標にたどり着くスピートを緩めてしまいます。
欲しいと思うこと、望んでいることは、あくまでゴールへの中間地点であり、そのもっと先を描いて目指すことで、心は中間地点をこえてゴールに向かって進んで行こうとします。
このゴールとは、パートナーシップでいえば、どんな夫婦になるか、二人で何をするのか、それが家族に、そして周囲にどんな影響を与えられる存在になるのか、といったものです。
それを具体的に、また、個人的な思いだけでなく、両親や周囲の友人達、さらには社会にどんな貢献をしていくのか、というレベルまで高めて設定することができたら、そこに至るまでに必要な、結婚、子ども、仕事という目標は、当然、クリアされていく中間ポイントとなり、手に入ることが自然に感じることができます。
つまり、ビジョンというのは、自分が幸せになることで、周りの人も幸せになることなのです。
あなたの幸せは、あなただけの幸せではありません。
パートナーの、両親の、兄弟の、子どもの、友人の、あなたの周りのすべての人の幸せなのです。
(14)コミットメント/選択する(1) へ続く
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