【連載ブログ】カウンセリングの実際 ~幸せなパートナーシップへの道~(その9)
<ブロックを取り除く:誤解を解く/許す(1)>
両親との関係が現在の人間関係を作っていることを理解し、自分の心の中の素直な感情を感じること。
こうしたことをやっていきながら、次には両親との関係の誤解を解くプロセス、心理学でいう「許す」ことにチャレンジしていきました。
表面上の意識で「欲しい」と思っているにも関わらず、それが手に入らないのは、深層心理で「欲しくない」という気持ちがあるからと言われます。
表面上では気がついていないので、変えようがないのですね。
けれど、これは、裏を返せば、心の底に眠っている本当の気持ちに気がつく事ができれば、対処したり修正したりすることが出来るとも言えます。
僕の場合は、潜在意識の中に、「自分は愛される価値がない」だから「どうせ自分なんか愛されるはずはない」という思いを持っていました。
幸せになりたいと願っているのに、決して自分は幸せになれないと思っていたわけです。
けれど、このことに気がつくことができました。
今度は、それを修正していく作業、つまり「幸せなパートナーシップを築く」ことを止めているブロックを取り除くことをやっていきました。
愛されるはずがない、という心のさらに下には、その原因をつくった、愛してくれなかった両親に対する恨みつらみの気持ちが眠っていました。
人は誰でも、両親に対して様々な恨みつらみを持っており、その復讐のために、自分が幸せにならないという手段を使う、と言われます。
幸せになることを認めてあげるには、この恨みつらみを解消して行かなければなりません。それが「許し」と呼ばれるものです。
そこをカウンセリングで解きほぐしていきました。
これが、ブロックを外すという作用をもたらしてくれました。
その方法は、人間関係のルーツである親との関係にある、「愛されなかった思い」等にみられる愛の欠乏感が「誤解である」ことに気づき、その誤解を解き、両親を許していくということです。
両親から「愛されなかった」という思いは、子どもながらに感じる誤解であることが多いのです。
子を愛さない親はいません。ただ、しかたがなかった。物理的に忙しかったから、面倒みたくてもみることができなかったと考えることはできないでしょうか。
そして、なぜ、そんなに忙しく一生懸命働いていたのかという理由が大きなポイントになります。
その理由は、誰あろう、子どものためです。
この子には苦労をさせたくないという思い故に、身を粉にして働いていたのです。
これを、まずは理論から、誤解であることを学び、そして先に紹介したセラピー等を使って、今まで辛かった、愛して欲しかったという恨みつらみから悲しみを「感じる」ことで解放していきました。
(10)ブロックを取り除く:誤解を解く/許す(2) へ続く
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