私たちは自分の思考のフィルターを通して、誰かや何かを見ていると言われます。
例えば
「自分が怒っている時は、相手も同じように怒っているだろうと思う」
「自分が喜んでいる時は、相手も同じように喜んでいるだろうと思う」
こんな感じ。
私たちは、これを自分の価値に対してもやってしまいます。
もし
「自分なんてダメな人間だ、才能も魅力もない」
と思っていると、
「自分が自分のことを見ているいるように、周りの人も自分のことをそう見ているはずだ」
と思えてしまいます。
しかし、カウンセリングやセミナーでお話を伺っていると、実際には自己評価と他者評価はズレていることが本当に多いんです。
もちろん、良い意味でズレていることが。
このズレを修正するためにまず一番にやって欲しいのは、
「自己評価と他者評価とはズレていることが多い。」
このことに気づくこと。
そして、
「私は自己評価が低すぎるかもしれない。周りの人はそこまで低く見ていないかもしれない。」
こんな風に自分自身に言ってあげることが大切です。
ところが、これ、自分ではなかなか難しいんですよね。
ズレの修正が難しいほど、私たちは自己価値を低く設定しているんです。
だから、誰かと一緒に考えてもらうことが、本当の自分の価値に気づく早道になります。
◇問題の渦中にいる時ほど自己攻撃は大きくなる
このお話は、ただでさえ難しいのに、問題の渦中にいるともっと難しくなります。
例えば、
失恋・浮気などのパートナーシップの問題
仕事の人間関係などの問題
こんな問題がある時は余裕ないし、相手の態度が悪いと腹が立ってしょうがなかったりするし、やっぱり自分が悪かったのかなと自分を責めたりしています。
確かに難しいのですが、こうした時こそ、自己評価を本当の価値から遠く離れたところに設定してしまいます。
すると、実際の状況よりもずっと大きく自分を責めてしまうので
「自分が自分のことを見ているいるように、周りの人も自分のことをそう見ているはずだ」
の心理が働いて、問題になっている人だったり、周りの人が全員「敵」に見えてくることも少なくありません。
そこで、先の話を思い出してもらい、
「自己評価と他者評価とはズレていることが多い。」
このことに気づくこと。
そして、
「私は自己評価が低すぎるかもしれない。周りの人はそこまで低く見ていないかもしれない。」
と自分に言ってあげる。
その上で、この状況下で自分ががんばったこと、してあげられたこと等を思い出す作業をしていくと、自己価値は段々と正しいところへ戻していけます。
問題の渦中にいると、この「がんばったこと・してあげられたこと」がすべて帳消しになってしまうんですね。
だから、問題の中に才能があるという見方をするというのは、このことを思い出す、という意味でもあるんです。
そして、そして、やっぱりこれは一人でやるのは大変なことなので、
誰かと一緒に考えてもらうことが、問題で隠れてしまった本当の自分の価値に気づく早道になる、というわけなのです。