応援する力 ~ うまくいかなかった時こそ本領発揮の時~

昨日は、子どもの運動会でした。
運動会というものは、ドラマチックなことが起こるものですが、その中で、とても心が動かされたシーンがありました。
それは、ある競技で応援団が最下位の子ども達に送ったエールです。


その競技はチームで組んで走ることになっていて、一組のチームだけが、とても遅れてしまっていました。

ぽつんどそのチームだけが、グラウンドで奮闘していて、周りがそれを待つ中、応援団がエールを送り始めたのです。

それは、今回の運動会でのエールの中で、最も大きな声のエールだったと思いました。

それを口火に、子ども達も保護者達も、応援の思いを、この子ども達に向けていったのです。

応援団が一番、応援に力を注ぐ時。

それは、いつだと思いますか?

例えば、野球の応援。
試合展開は、1点差で自分のチームが負けています。
場面は、ツーアウト満塁。
バッターボックスには、チームのエース、四番バッターが登場します。

スタンドで応援する応援団と、応援するみんなは、大きな声援と期待で固唾をのんで見守っている、その時。

「空振り三振!スリーアウト、チェンジ!」

あ~とため息のスタンドのみんな。
えー、とか、何やってるんだ!という声が飛びそうなその時。

応援団は、そのバッターに向かって、エールを送ります。

人が一番応援が必要な時。
そして、応援されて、一番心の支えになる時。

それは、「うまくいかなかった時」です。

チャンスメイク、勝利に貢献する活躍、そして、勝利した時に応援するのは当然ですが、
こうした、「うまくいかなかった時」に応援することができるのが応援団の存在意義。

それは、その選手のベストプレーを讃え、励ますことだけではありません。
そこで応援することで、プレイしているチームや、応援している人達の盛り下がりそうな気持ちを
もう一度、前に向かせていく影響力を発揮することができるのです。

そこで、チームも、応援している人達も、
「そうだ、まだ試合は終わっていない!。力を合わせていこう!」と奮起できたとしたら。

チャンスを活かせなかった、その選手が一番の苦しみを味わっているはず。
そのことで、うまくいかなかった選手の心は救われ、それによって、次のチャンスを活かそうと気持ちを切り替えることができます。
また、チームメンバーも、「うまくいかなくても、みんなが応援してくれる」と感じることで、失敗を怖れず、ベストを尽くそうと思うことができます。
そして、応援している人達も、実際にプレイしていなくとも、応援の力で選手を活かすことができると感じます。
この時、このチームは、みんながひとつになってプレイができるのだと思うのです。

これこそが、応援団のやりがい。
やっていてよかった!と感じられる時。

私は、カウンセリングを学んでいく中で、このことを教えてもらいました。
そして、こうした教えを学んでカウンセラ―になれることを、幸せに感じました。

運動会の応援団の様子を見ていて、このことを思い出しました。

私たちは、うまくいっている時は、自然に応援できるものですが、うまくいっていない時には、応援よりも、残念な気持ちや、時には、そんな相手を責めてしまいがちです。

でも、「うまくいかなかった時」こそ、応援の力が必要であり、私たちのハートが本領発揮する時です。

うまくいかなかった誰かに対して。
そして、うまくいかなかった自分に対して。

応援の力を思い出しましょう。
誰かに、自分に、エールを送ってあげましょう。
その影響力は、きっと心に届くはずです。

今、私はその教えを受けて、カウンセラ―として活動しています。

応援団も、カウンセラ―も同じ。

応援が一番、必要な時。
そして、応援されて、一番心の支えになる時。
それは、「うまくいかなかった時」です。

そんな時こそ、カウンセラ―の本領を発揮する時だと、私は思います。

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