夫から離婚を言い渡された。その理由が、私の仕事だったってどういうこと?。こうしたケースについて、その理由と解決の糸口をお伝えしていきます。その第二回です。
前回の記事では、妻が仕事に熱中することで、夫が妻を仕事に取られたと感じてしまった、という「夫の心理」という視点で書かせていただきました。
(前回の記事>>>「夫婦のラブ・クリニック(15-1)」)
今回は、女性の心理(妻の心理)という視点で書かせていただきます。
例えば、こんなケース(池尾が創作しました)。
以前は、バリバリ働いていた私。
でも、出産を機に、仕事を辞めて、専業主婦に。
育児が大変だった時は気にならなかったけれど、
子どもの手がかからなくなってきたら、何か、つまらない。
心に空洞が空いた感じがする。
そう思って、仕事を始めた。
仕事をやり始めた以上は、責任がある。
きちんとやることは、当たり前。
そうやって、がんばってきたのに、どうして夫はわかってくれないの?
この嘆き、当たり前ですよね。
一生懸命、仕事をきちんとやる姿勢に、なんら問題はありません。
むしろ、それは評価されるべきものです。
でも、そこには、隠された心理、がある場合があるんです。
それは「競争」。
つまり、「負けたくない」という気持ちです。
誰に?
夫に。
あるいは、この社会に。男性に。
「そんなこと、思ったこと一度もないよ!」と思われるかもしれません。
でも、もし、この心理が隠れていたとしたら、どうでしょう。
ここで大切なのは「仕事をする理由」です。
例えば、経済的な理由で働いている、でもいいんです。
理由が明確ですよね。
ところが、「負けたくないから」が理由だったとしたらどうでしょう。
家事と育児だけでは「私の価値が発揮されない」という隠れた不満があったとしたら。
ここには「仕事で成果を出すことしか、私の価値は発揮されない」という隠れたイメージがあります。
すると、知らず知らずのうちに、夫の張り合うようになっている、ということが起こる場合があるのです。
・私のほうががんばってるわよ。
・家事育児より仕事のほうが力が出せる。
・私の本当の実力を見て欲しい。
もちろん、無意識です。
でも、もし、こうした心理が隠れているとしたのなら
・夫を上から目線で見てしまったり
・夫をコントロールしようとしてしまったり
・夫に必要以上に自分のがんばりを見せようとしてしまったり
こうしたことが起こっている可能性があります。
すると、夫は、そのことに疲れてしまいます。
・自分は役立たずなのかな、とか。
・自分の自由を奪われている感じがする、とか。
・いつも張り合ってしまい安らげない、とか。
この状態が続くと、夫としては、一緒にいることが辛くなってしまいます。
重ねて言いますが、無意識にやってしまっていることがあるのです。
心当たりがある、と思われる方。
どうしたらいいのでしょう。
まず、そうした隠れた「競争」をしてしまうのは、何か理由があるはずだ、と思うことです。
例えば、
・姉妹の長女で、親から長男のように育てられたとか。
・務めた会社が、男性社会で、男性のように働かないと評価されなかったとか。
・自分には価値がないと思い、認めてもらうためには、必要以上に努力が必要だったとか。
いずれも、男性社会の中で生きる女性が、本当に苦しむことです。
そんな中でがんばってきたのです。
ある意味、無意識に競争してしまうのは、当たり前なんですね。
だから、「よくがんばったね」「仕方ない理由があったよね」と自分自身を労ってあげてください。
その上で、このやり方、生き方を変えよう、と思ってみる。
だって、好き好んでやっているわけではないはずですから。
「もっとゆっくり、楽に、生きてもいいよね」と言ってあげてください。
そして、ゆっくり休む、リラックスする。
あるいは、誰かにこの苦しみを聴いてもらう。
それだけでも、随分、楽になれます。
そうして、自分の心に余裕を持たせた上でないと、離婚を言い出している夫の心を受け止めたり、見守ったり、待ったり、ほめたり、認めたりすることができません。
まずは、自分の心のケアから。
もう、こんな苦しみから解放されていい時です。
あなたの苦しみが大きければ大きいほど、あなたの優しさは大きい。
そんな優しいあなたは、苦しみに値しません。
そんな風に、ご自身のことを思ってあげてくださいね。
『前回までの連載記事』>>>「夫婦のラブ・クリニック<連載目次>」