私のクライアントさんに、
夫に浮気をされた過去があり、
そのことに激しく怒り、傷つき、悲しんだ経験がありながら、
その後、自らが妻子ある人と不倫をすることになり、
そのことで、深く悩んで、カウンセリングを使ってくださった女性がいました。
なぜ、あんなにも浮気に苦しんだ私が
自ら、そんな行動に出てしまったのだろう。
自分が苦しんだ経験があるだけに、
不倫相手の奥さんの気持ちもわかる。
その思いは、より、自分を苦しめます。
私は、カウンセラーとして、
「浮気を奨励するつもりは、全くありませんが」
と言った後に、
こんなお話をさせていただきました。
今回の出来事で、何かひとつメリットがあったとしたら
それは、浮気をした人の気持ちがわかった
ということではないでしょうか。
その方は、黙って、私の言葉を聴いてくださいました。
そして、
「あなたが浮気をした理由は何だったのでしょう。」
そう伺うと、
彼女は、涙を流して、こんな話をしてくれました。
毎日、寂しかったから。
今思えば、それは、夫が私のことを向いてくれていなかったから。
でも、そうだとしたら、
夫が浮気した時、彼も同じ気持ちだったのかもしれない。
そう思うと、本当に悲しいです。
どうして、私たちは、こんな風にすれ違ってしまったんでしょう。
カウンセリングでお話を伺っていく中で
大きな問題に直面した時、
初めて気がつく、お互いの気持ち
にたどり着くことがあります。
繰り返しになりますが
浮気、というのは、いい方法ではありません。
また、どんな理由があろうと
許せない気持ちがあるなら、それを大切にしたほうがいい。
許しは、準備ができた時に、やればいいのです。
でも、起こってしまった出来事について、
そこに何か理由があるとしたら
そう、相手と自分の心の中にある
普段は気がつけない感情を見つけてみようと思えた時
それは、お互いの気持ちを知り
お互いが歩み寄るチャンスがきていると
いえるのではないでしょうか。
そうした、相手と自分の心の中にある声
それに気がつくことが難しいほど、
私たちは、忙しい社会に生きているのかもしれません。
まずは、そうした声に耳をすませてみましょう。
そのことで、今まで気がつけなかった何かを
聴くことができるかもしれません。