「パートナーシップの何が不安なの?(4)」~こどもに関する不安【男性編】~

私たちはパートナーシップを求めます。
なぜ求めるのでしょう。
不安だからです。
何が不安なのでしょう。
私たち夫婦カウンセラーが男性・女性、それぞれの思いで綴る連載。
今回は「こどもに関する不安」【男性編】です。

今回のテーマは「こどもに関する不安」です。

☆「こどもに関する不安」【女性編】(担当:池尾千里)は>>>コチラをご覧ください。

<前回の記事>
>>>「寂しさの不安」【男性編】その1(担当:池尾昌紀)
>>>「寂しさの不安」【女性編】その1(担当:池尾千里)
>>>「寂しさの不安」【男性編】その2(担当:池尾昌紀)
>>>「寂しさの不安」【女性編】その2(担当:池尾千里)
>>>「競争の不安」【男性編】(担当:池尾昌紀)
>>>「競争の不安」【女性編】(担当:池尾千里)

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☆「こどもに関する不安」【女性編】(担当:池尾千里)は>>>コチラをご覧ください。

夫婦にとって、こどもの存在は極めて大きいものです。

夫にしても、妻にしても、こどもを大切に感じ、愛情を感じるところは同じ。

ところが、こどもや子育てに関して感じる不安、感情、感覚は、男性と女性では違っている場合が多いんです。

私は男性ですが、昔から男女平等にこだわらざるをえない生い立ちがあったりして、男性と女性が違う、という言葉にとても否定的でした。

そんな私が男女の心理の違いをこうして公言するようになった理由はただひとつ。
多くのカウンセリングをさせていただく中で、男性心理と女性心理が違うという視点を「取り入れたほうが」うまくいくケースをたくさん見てきたからです。

さて、こどもや子育て、あるいは教育についての男性と女性の心理の違いがあるとしたら、それはどこにあるのでしょう。

一概には言えませんが、傾向として、私が感じている感覚があります。
それは、
「男性にとって、子育ては『誰かにお願いするもの』という意識がある」
ということです。

どういうことか、具体的に説明させてください。

ある夫婦が離婚問題に直面したとします。
二人の間にはこどもがいる。
すると、当然、離婚問題は、二人だけの問題ではなく、こどもへの影響を考えることになります。

もし、離婚して自分がこどもを引き取ることになった場合
どちらもが、離婚後の子育てについて、具体的な不安を持って、それを解決するためのシュミレーションを頭の中で自然としていきます。

◎妻(子の母)の不安
・自分一人の経済力でこどもを育てられるか
・自分が働く間、どこにこどもを預けることができるか
・仕事から帰ってから、家事と子育てをどのように切りもりするか、など。
特に専業主婦の方の場合は、経済力は最も切実な問題になります。

◎夫(子の父)の不安
・経済力については、自分ががんばればいい
・誰が子どもの面倒を見てくれるか
・誰が家事をすることになるか

これはかなり極端な例だとご理解ください。
しかしながら、感覚的には、この例に近いものを、男性と女性はそれぞれに感じるようなのです。

一言で言えば
女性は「自分が子どもを育てること」が大前提であり
男性は「自分が働く間、子どもを誰に預けたらいいか」が大前提になる

別の言い方をすれば、「子どもを育てる」ことについて、真っ先に感じる感覚が
女性の場合「いかに自分の手で育てられるか」であり
男性の場合「いかに社会的に経済的に守り支えるか」である

ということなんです。

共通の不安として、自分一人でこどもが元気にまっすぐ育つだろうか、ということは思います。
また、実際にシングルファーザーで子育てをきちんとされている方もたくさんおられます。

実際の行動とは別に、男女の感覚の違いがある、ということをご説明したいために、このような例を書かせていただいたんですね。

離婚のような問題を抱えていなくても、夫婦というのは、こどもに関して、こうした男女の感覚の違いがある。
この感覚の違いが、こどもに関する、様々な夫婦のすれ違いを生むことがあるのです。

逆に言えば、相手がこうした感覚を大前提に、発言したり、物事を見ているのだな、と知っておくだけで、相手の気持ちを理解したり、自分の言い分が理解されない時も、「わからないのは仕方ないな」と受け止めることができるとも言えます。

あなたが相手を理解すればするほど、相手も「理解してくれた」と感じて、あなたのことを「理解しよう」と思いやすくなるのですね。

「こどもを守る」「愛している」「大切に思っている」ことは、夫婦どちらも同じ。
ただ、「自分がやらなければならない」「自分が担わなければならない」と思っている分野が違うだけ。

そして、だからこそ、男性と女性が二人そろって、バランスよく子育てがうまくいくのですね。

子育ては、どちらにとっても大変です。
「どうして私ばっかり」という気持ちになりやすい。
それは当たり前のことです。

でも、こうした視点を忘れないこと。
そして、この視点で夫婦がコミュニケーションが取れるようになることをゴールにしていく。
まずは、あなたから。
はじめてみていただけたらと思います。

今回の記事がお役に立てれば幸いです。

☆「こどもに関する不安」【女性編】(担当:池尾千里)は>>>コチラをご覧ください。

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