近くて遠い、遠くて近い「男と女」。そんな「男性心理」「女性心理」を夫婦カウンセラーの池尾昌紀・千里が、それぞれの立場で語る連載その4。
今回のお題は「セックスのお話」です。
【今日のお題】
「セックスのお話」【男心編】
男性と女性では、セックスに関する感覚が全く違う部分があります。
例えば、こんなケース。
夫にセックスを求められても、私がなかなかその気になれなかったので、折々に断っていた。
そのうちに、夫がセックスを求めてこなくなったので、セックスがなくても大丈夫なのかな、と思っていた。
普段、夫婦仲は悪くないし、話も普通にできるし、結構、私達はうまくやっていると思っていた。
ところが、突然、夫が別れたいと言い出した。
その理由が「セックスに応じてくれない」だった。
私にとっては青天の霹靂。
なんでもっと早く言ってくれないの!、何もいわないから、なくても平気だと思ってた!と心が叫んだけど、素直にそれを言えずに困っている。
女性の身体は波がありますし、繊細です。
そうするとセックスに対して、受け入れられない時には、いくら相手に求められても、心情的には応えてあげたくても、生理的に受けつけられないということが起こってしまうと思います。
受けつけられないものを無理に受け入れるほうが、よくないですよね。
でも、応えられないだけで、そのままにしておくのは、男性にとってはとても辛いことになるんです。
男性というのはセックスに対して、恐ろしいほど繊細なところがあります。
セックスを断られると、それだけのことで、奈落の底に突き落とされたような気分になってしまうんですね。
これは、単にセックスへの欲求が強いから、というだけではない、いろんな理由があります。
普段、感情を感じるのが下手な男性が、セックスの時には感情を解放できるから
セックス=男らしさ、という強い観念があって、男性失格と言われた気分になる、など
一言でいってしまえば、
「セックスというやり方でないと、自分の弱さをさらけ出せない、甘えられない、愛情表現が全力でできない」
ということなんです。
カウンセリングの中で、この話をお伝えする機会があると
「そんなの、普段からやればいいじゃない!」
という反応をされることが多いです。
女性からしたら、理解不能と感じるのも当たり前だと思うのですが、
「男性がセックスに感じている『何か』は、とても大きいらしい」
それだけ理解いただけたらいいのだと思うのです。
単に「やりたい!」と思ってるわけじゃなくて、何だかわからないけど、ものすごく大きな意味を持っているらしいから、ちょっと大切にしてあげよう。
そんな風に思ってみるだけで、彼や夫に対する態度が変わりますし、その気持ちが相手に伝わって、理解されている感が、彼に安心感を与えます。
そして、セックスに関するお互いの気持ちやサインを決めておくことが、この問題を解決する大きなアプローチになるんです。
セックスに関してのコミュニケーションは、日本人には難しいところがあります。
謙虚さ、恥ずかしさがありますから、それは当然なのですが、ここにはどうしても二人のコミュニケーションが必要になります。
無理矢理、全部、話し合う必要はありません。
最も恥ずかしいジャンルですし、無理な自己開示はお互いが傷つきます。
でも、上手に気持ちを伝えあう、直接会話しにくいなら、メールやメモの交換でもいい。
二人にとっての、幸せなセックスのためのコミュニケーションを取ってみてください。
例えば
・セックスをしたい時、どんな風に伝えられたら聞きやすいか
・セックスを求められた時、応じられない時はどう断られたら聞きやすいか
・セックスに応じられない時は、いつ頃だったら大丈夫か、を伝える
・セックスがしたい時、ダメな時の二人のサインを決めておく、など。
セックスはお互いにとって繊細な領域。
応じられない時があっても当たり前。
ただ、その後のフォローとか、二人の話し合いが大切なんですね。
セックスに関するコミュニケーションが取れるようになると、他のジャンルのコミュニケーションも取りやすくなります。
また、二人がきちんとセックスに向かい合うことで、より愛を感じる、よりつながりを感じられるセックスができるようになったり。
そのことで、幸せや愛をもっと感じられるようになっていけるんですね。
他にも書きたいことは、たくさんあるんですが、
(途中で折れてしまった時の男性の悲痛な叫びとフォローの仕方とか)
長くなるのでまたの機会に。
セックスは個人差が大きいですし、繊細なジャンルですから、簡単にはいかないかもしれませんが、幸せなパートナーシップにおいては欠かせないもののひとつ。
サポートがあったほうが楽に進めます。
よかったら、カウンセラーを頼りにしてください。
今回の記事が、みなさんのお役に立てたら幸いです。
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<今日のお題の『女心』については、妻・池尾千里が書いています!>
「セックスのお話」【女心編】
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今後、こんなテーマを予定しています。
○家を継ぐ男性。嫁ぐ女性。
○相手の愛情にあぐらをかく心理。
どうぞ、お楽しみに!
【「こんな時の『男心』・『女心』がわからない!」シリーズ】
☆男心を池尾昌紀が、女心を池尾千里が担当しています。
1.『相手の機嫌が悪い時』
男心編>>>こちらへ!
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