アカウンタビリティってどういう意味?(5)~私達に起こることはすべて私達が選んだ結果~

「偶然は必然」とか、「ピンチはチャンス」という言葉を聞いたことがありませんか?


こうした言葉は、問題が起こったり、困ったことが起こった時、それをマイナスととらえないで、プラスにしていこうという考え方です。

「起こった出来事には意味がある」という視点で物事を見ていくことで、いろんな効果がでてきます。

問題や困ったことや嫌なことがあれば、気分が落ちこんだり、プレッシャーがかかったり、ストレスを感じたりしますよね。

でも、これは悪いことではなく、意味のあることなんだと思うことで、気持ちが軽くなったり、プラスの方向に向けることができます。

そうすると、心に余裕ができるので、楽になりますし、その余裕がこの状況を切り抜ける良いアイディアを生むこともあるのではないでしょうか。

こうした考え方は、「アカウンタビリティ」につながる視点と言えるのではないかと思います。

「アカウンタビリティ」とは、「私達に起こることは、すべて私達が選んだ結果である」という考え方のことです。
すべてのことは自分が何かを学ぶチャンスである、と考えることで、成長したり進んで行く大きな力にすることができるということなんですね。

私たちは、問題が起こったり、困難に直面したりした時に、それを「自分が選んだこと」であるとは、なかなか思うことができません。

苦しいことや悲しいことが起こって、喜ぶ人はいませんから、当然ですよね。

でも、「あえて」「わざわざ」、こんな問いを自分にしてみます。

「もし、この出来事を、自分が望んだことだったとしたら、どんな理由があるのだろう」

悪いことが起こることによって、自分が得られる「いい事」って何でしょう?

普通に考えたら、そんなことは考えにくいことです。

でも、こんな風に考えてみて下さい。

(1)この出来事が「何かを学ぶ」「成長できる」チャンスととらえてみること。

(2)この出来事が、自分が感じられなかった「癒すべきテーマ」を知るチャンスととらえてみること。

この記事の冒頭でご紹介したお話は、(1)に当たります。

(2)の視点は、なかなか難しいのですが、今までずっと我慢していたり、犠牲で誰かのためにがんばってしまうようなタイプの人が、ある時、とても辛い出来事が起こり、その時にはじめて、「自分はずっと我慢してきた、犠牲してきた」と気づく、というようなケースになります。

気づく、というのはカウンセリングの中で、とても大切なことなのですが、気づくことができれば、具体的に取り組む課題を見つけたことになります。
その課題をどんな方法で解決するか、と解決に向かって進む事ができると言えるのではないでしょうか。

カウンセリングを使うきっかけというのは、こうした出来事がきっかけであることが、結構多いように思います。
問題や困難があって、はじめて気がつく自分の心の課題が見つかった、初めて弱音がはけた、というお話はよく伺います。

この出来事が起こらなかったら、本当の課題に気がつかないまま、ずっと苦しい思いをしてきたかもしれない。あるいは、もっともっと大変な問題になってから気がついていたかもしれない。

もちろん、困難な出来事が起こって欲しいと思う人はいません。
でも、頭では起こって欲しくないと思っても、深層心理では、起こって欲しいと願っていることがあるんですね。

それは、無意識の中の「この出来事が起これば、次に進むチャンスになる」という自らの声、なのかもしれません。

成功したり、幸せを手に入れている方の中には、この考え方を効果的に使っておられる方が少なくないように思います。
こうした言葉は、成功している経営者の方などが発信されていることが多いのですね。

ただ、アカウンタビリティの考え方を使う時には、大切なポイントがあります。

実際に困難がやってきた時には、こうした前向きな気持ちになれないことも多くありますよね。

「アカウンタビリティ」を使っていく上で、とても大切なポイントのひとつは、「できる時にやればいい」ということです。
すべてのことに使えたらいいのですが、頭ではわかっているつもりでも、気持ちがついていかない場合もあります。
そんな時には、この視点を知っているだけに、「これは意味のあることなんだ」とか「自分が選んだことなんだ」という思いを感じられなかった時に、できない自分を責めてしまうことがあります。

前回「アカウンタビリティ」(4)で書かせていただいたとおり、「アカウンタビリティ」は罪悪感を軽くするためにあるものですから、罪悪感を感じてしまっては意味がなくなってしまいます。

こうした質問をしていく上で、できなかったり感じられない時には、自分を責めないことがとても大切になってきます。

「やれる時にやろう」

そうした気楽な感じで取り組むと、うまく使えることもあります。

もしかしたら、この視点が、今の問題やテーマを乗り越えるきっかけになるかもしれません。
(完)

>>>前回の記事はコチラへ
アカウンタビリティってどういう意味?(1)
アカウンタビリティってどういう意味?(2)
アカウンタビリティってどういう意味?(3)
アカウンタビリティってどういう意味?(4)

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