【連載ブログ】夫婦のラブ・クリニック~二人のすれ違い、どうしたらいいの?~(13)

カウンセリングで伺うお話の中で、「離婚」「浮気」「セックスレス」「心のすれ違い」など、夫婦問題についてのご相談は、とても多くなっています。

こうした夫婦問題の解決に役立つヒントをお届けする連載、その13回目です。

今回のテーマ
「男性心理、女性心理を知る(その2)」~女同士、男同士の付き合いを期待してしまう~


<前回までの記事>
こちらのページをご覧ください。「夫婦のラブ・クリニック<連載目次>」

旅行に行った時。
あなたは、同性の友達にお土産を買いますか?

女性は、自分の友達にお土産を買っていく

夫婦で、恋人同士で、旅行にいった時。
あなたは、同性の友達にお土産を買っていこうと思いますか?

旅行先での、ある夫婦の会話。

妻:「ねえねえ、お土産物売り場に寄っていい?」

夫:「いいよ」

妻:「あなたも、同僚にお土産くらい買って行きなあかんよ~。」

夫:「そうやなあ~。そうするかな~。」

<お土産を物色する二人>
夫:名産のお菓子一箱を購入
妻:物色中。買い物かごを持っていることに疑問を持つ夫。

<30分後>
夫:「まだ、決まらんの?」

妻:「ちょっと待ってよ。今、決めてるんだから」

夫:「え~!。そんなにたくさん買うの!」

妻:「何言ってるの。これでも厳選したんやよ~。
これは実家のお母さんでしょ。
これはママ友の分でしょ。
ほら、こないだAちゃんが旅行のお土産くれてお返しとかしてないじゃない。
それから、これはBさんで、Cさんで、Dさんで・・・」

夫:「・・・」

妻:「・・・それから、これはXさんで、Yさんで、Zさんで・・・」

夫:「(心の声:土産物屋でも開くつもりかい!)」

妻:「ん?なんか言った?」

夫:「何にもいっておりませんです、ハイ。」

これはフィクションです。
決して、私と妻(カウンセラー池尾千里)の話ではありません。

このお話、女性がお土産を買っていくことを茶化してるわけではないんですよ。
私自身は、昔から友人にお土産をたくさん買うタイプだったので、
お土産を買いたい気持ちはわかります。

何をお伝えしたかったかというと、
旅行先で同性の友人にお土産を買っていく感覚が、男性心理と女性心理の違いを表すのに、わかりやすいからなんですね。

女性は、友達付き合いを、とても繊細な感覚でしています。
例えば、友達と合った時、髪型が変わっていれば、
「髪カットしたんだ。似合うね~」
みたいな会話が『自然と』展開していきます。

なぜ、自然にできるかというと、いろいろな視点があるのですが
ひとつには、女性自身が、毎日、鏡を見て化粧をして、服をチェックして、というように、自分自身を細かく見ているから、と言えるでしょう。

それくらい自分を見ていますから、人の細かな変化にも敏感になるわけです。

また、女性は感覚・感情が豊かなので、同性同士のつながり方も、繊細になってきます。
相手がどんな気持ちなのかチャッチし合ったり、時には気を使ったり、ほめあったり。

コミュニケーション能力が、繊細で発達しているんですね。

ところが、男性はどうかというと、
朝起きて、鏡の前に長くいる男性は、それほど多くないと思います。
もちろん、服装や髪型を気にして、毎日、鏡を見ている男性もいますが、
これは、どちらかというと「自分へのこだわり」からやっているところがあるようです。

また、男友達同士の付き合いの中には、

「男同士だから、何も言わなくてもわかりあえるぜ!」

みたいな感覚があります。

つまり、コミュニケーション能力が、最低限のやり取りでオッケー、みたいな感じなんです。

もちろん、個人差はあります。
あくまで、一般的な話ですし、男性と女性を単純に分けていいものでもありません。

ただ、傾向があること、こうした視点で整理するほうが、わかりやすいことが多いのです。

私たちは、異性とコミュニケーションをする時、自然と、同性同士のコミュニケーションを想定してしまっているようなのです。

女性なら、女友達のように、髪型などの変化や心の微妙な動きについて、察してくれるはずだ。

男性なら、男友達のように、わかりあってるからいいよな、みたいなノリでいいはずだ。

これを、無意識にやっているとしたら。

男性と女性のコミュニケーションがうまくいくはずがない、と思いませんか?

私たちは、パートナーシップのコミュニケーションを考える時、この「大前提」を知るべきなのです。

それを知っているだけで、相手のことを受け止めたり、思いやったりすることができる間口が広がります。
(次回に続く)

<前回までの記事>
こちらのページをご覧ください。「夫婦のラブ・クリニック<連載目次>」

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