自分軸で生きるための心理学#3~心の境界線を引く~

自分軸で生きるために大切なポイントとして前回は「自己価値を回復すること」について書かせていただきました。

今回の記事では、「境界線を引くこと」についてお伝えしていきます。

 

◇知らず知らずのうちに周りの影響を受けているとしたら?

最近、敏感な心についてのキーワードをよく耳にするようになりました。

心理学やカウンセリングや心に興味を持つ方は、繊細で敏感な心を持っていて、そのために苦労したり、悩んだりしている方も多いようです。

人同士のコミュニケーションのほとんどは言語で行われていると思いがちですが、実際には視覚、聴覚、触覚、嗅覚など、様々な感覚を駆使して行われています。

彼と電話で話をしていたら、普段通りに振舞っているけど、何か落ち込んでいるような気がして、「何かあったの?」と聞いてみる。

「何でもないよ」と彼の答えに、ますます様子が変だと思ってさらに聞いて見たら、やはり仕事でトラブルがあって落ち込んでいたことを話し始めた彼。

こんなことってありますよね。

「肌で感じる」という言葉があるように、雰囲気で察する事もたくさんあるのですね。

例えば、近くにいる人が怒っていたら、その人が何も言わなくても、怒りの雰囲気を感じる事もあります。

「夫の背中が怒ってる」という表現が使われるのはそういう事からやってきます。

また、彼からのメールが馬鹿丁寧だったりすると、そこに怒りを感じた、なんて経験はありませんか?

これも、文面だけではわからない雰囲気が伝わってきているんですね。

普段は意識していない人でも、気づいていないだけで、人同士、あるいは場所や状況から様々な影響を受けているとしたら。

私たちは気がついていないだけで、目に見えない雰囲気をとてもとても感じて生きているとしたら。

敏感なタイプだったら、ますます、その影響は無視できなくなってきます。

その影響を受けることで、自分軸がブレてしまうとしたら、この影響力について自覚して、対策を立てる、練習をすることが、自分軸で生きる大切な視点となります。

◇周りの人との境界線がなくなっていないかを自覚する

影響力を受けていることは誰にでもあることだとしても、その影響力の受け方は個人差があります。

影響を受けすぎていることが苦しいとしたら、人との心の境界線がうまく引けていない可能性があります。

心は人の気持ちを察しようとします。

しかし「人の顔色を伺う」「周りの反応が気になる」ことが大きすぎる場合は、必要以上に相手の気持ちに踏み込んでしまっている場合があるのです。

世話好き、という言葉があります。

誰かのために何かをしてあげることはいいことですが、必要以上にやりすぎると「お節介」となってしまいますよね。

心の境界線がうまく引けてない時は、自分が相手の心に踏み込みすぎる、また、自分の心に相手を入れすぎてしまっている、ということになります。

これは自覚してやっている場合もありますが、無自覚の方も多い。

また「私はついお節介を焼いてしまうわ」とか「周りの目を気にしすぎる」などの自覚している人も、自覚以上に境界線がなくなってしまっている場合もあります。

境界線を引けるようになるためのポイント、最初のステップは以下の2つです。

1.自分が思っている以上に人との心の境界線が引けていないのではないか、といつも意識すること。

2.長年やってきたことだから、すぐには変えられない。段々練習していこうと思うこと。

まず自覚することから始めていきましょう。

「自分と相手は別々の大切な存在なのだから、境界線を引こう」

そう心の中で宣言してあげてください。

それだけでも、楽になれます。

すぐにできるわけではありませんが、スタートはこの意識を持つところから。

焦らず、段々と練習をしていけばいいんだ、と思うところから始めてみましょう。
(続く)

【自分軸で生きるための心理学】連載記事
#1:「自分らしく自然体でいる」ことと「わがまま・自己中」とは違う
#2:なぜ、自己価値を知ることが自分軸で生きるための方法なのか
#3:心の境界線を引く
#4:自己価値より気づきにくい自己受容の大切さ

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