自分軸で生きるための心理学#4~自己価値より気づきにくい自己受容の大切さ~

◇自己価値より自己受容することの難しさ

自己価値の大切さについては、知っている方も多いと思いますし、自覚もしやすいと思います。

自己価値を回復する方法の代表的なものは自分を褒めること。

褒めることができたら、私もいいところあるね!と自覚できますよね。

しかしながら、自己受容、自己承認は自覚しにくい。

自己受容は、ほめるだけでなく、今の自分や、今までの自分に対して、それでいいんだよ、とか、自分を認めてあげる、ということですが、それって意識しにくいのです。

私もカウンセリングでよくお話させていただくんですが、説明してもわかってもらいにくい。

なぜなら「自分に厳しいから」なのです。

だから自分を認められない。ましてや、そのままでいいよ、なんてとても言えない、となってしまうのです。

これは、日常での仕事や家事や人間関係での自分の言動など、全て当てはまりますが、「自己価値アップの方法」などで紹介されている「毎日自分を褒める」チャレンジをしている時にもみられます。

自己価値をアップしようと毎日自分を褒めるやり方を始めてみた。

ところが、がんばってやっていたのに、途中でできなくなってしまった。

すると、そこまでがんばった自分のことを認めることをせず、やめてしまったことを責めてしまったり、やっても成果が上がらない、できない自分を責めてしまったり。

どうしても、自分を追いこんでしまう方へいってしまうのですね。

自分なんてダメだ、と思っていると、そのままでいいと思えない。

この悪循環が自分を苦しめているのです。

ですから、最優先に考えることは「自分を責めない」こと。

なかなか自覚しにくいことですが、その瞬間瞬間、あなたはベストを尽くしてがんばっています。

できない時には「何か仕方のない理由」があることも多いのです。

◇自己受容のためには、まず「今、ここ」を感じる練習をする

自己受容ができない理由は自分に厳しいだけではなく「今、自分が何を感じているかがわからない」ことが挙げられます。

小さなことでも、私たちは意外と自分の感じていることに気がついていません。

例えば、苦手な友人がお茶に誘ってくれた時、自分はこの人のこと苦手だな、とか、お茶に行くのがちょっと億劫だな、という自分の気持ちを感知できないと、自分の気持ちをないがしろにしてしまいます。

自分の気持ちを感じないまま、お茶に一緒にいっても、お茶を断っても、どちらもモヤモヤしてしまいます。

自分は苦手だと思ってるんだな、と自覚して選ぶのと、自覚せず選ぶのとでは、全く違ってくるんです。

こうした自分の気持ちを自覚してない人のほうが多いのですね。

だから自分をそのまま認めて感じてあげる自己受容が大切になってきます。

しかし、それはなかなか難しいこと。

「今、ここを大切にする」という言葉がありますよね。

自分の気持ちに寄り添うのは、なかなか難しいことですが、今、自分がどんな気持ちなのだろう、と自問自答する時間を少しでも作ってあげる。

毎日のその積み重ねが、自分の気持ちを知り、それがありのままの自分になっていける道のりです。

そして、繰り返しになりますが、自分の気持ちを振り返る時の大切なポイントは、自分を責めないことを最優先にすること。

自分を責めることは、自分にオッケーを出してあげる、認めてあげることの真逆です。元も子もなくなってしまうのです。

(続く)

【自分軸で生きるための心理学】連載記事
#1:「自分らしく自然体でいる」ことと「わがまま・自己中」とは違う
#2:なぜ、自己価値を知ることが自分軸で生きるための方法なのか
#3:心の境界線を引く
#4:自己価値より気づきにくい自己受容の大切さ

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