幸せを感じるのは「状況」ではなく「感情を感じる」時(1)

幸せを感じる時ってどんな時でしょう。

お金がたくさんあること?
パートナーがいること?
有名な会社で仕事をしていること?

こうしたことは大切なことですし、人それぞれ、いろいろな価値観があっていいものですから、どれが正解というものでもありません。

しかしながら、共通て言えるのは、幸せとは「状況」ではなく「幸せを感じている」感情があること。

そんなお話を書かせていただこうと思います。

◇「思考」と「感情」という二つの側面

幸せになるための方法については、本やインターネットでよく発信されています。

カウンセリングの中でも、ご相談いただいたり、話題に上がることが多いこのテーマなのですが、幸せというものを考えていくと、いわゆる「HOW TO」的な方法だけではなくて、どんな時に幸せを感じるのか、という根本的なところに行きつくように思います。

例えば、お金は幸せに暮らすのにとても大切な要素です。

しかし、お金があれば幸せなのか、というと別の話になりますよね。

愛さえあればお金なんて必要ない、ということが言いたい訳ではありません。

お金でも、仕事でも、パートナーシップでも、あればいいというものではないはずです。

幸せを得るというのは状況ではなく「幸せを感じる」という感情を感じた時のこと。

私たちの心は「思考」と「感情」という二つの側面を持っています。

思考だけでは心は動けません。

感情によって心は実感していきます。

カウンセリングサービスでご提供させていただいているカウンセリングは、感情と感覚を大切にするスタイルを取らせていただいています。

心理学の理論や心理分析だけでなく、こうした理論や方法論(=思考)と、感情・感覚の二つがあって、人の心は変化したり、何かを得たり、なしとげていくという考え方をしています。

心、というのは思考だけで動くものではありません。
そこには、「感じる」=気持ちが必ずあるものなんですよね。

例えば、朝、目覚まし時計が鳴った時、「早く起きて会社に行こう」というのは頭で考えること=思考の部分です。
ところが、「もっと寝ていたい~」というのが気持ちの部分です。
この二つが同時に起こるので、思考と感情のぶつかり合いが発生します。

「頭ではわかってるけど、心が納得できない」という表現がありますが、まさにそのとおり。
この二つの衝突が、心のいろんな問題を作る原因なのです。

思考では前に進もうとしてるのに、感じている気持ちがブレーキをかける、ということが起こると、理論や方法だけでは、成果が表れにくいのですね。

例えば、スポーツ選手、アスリートの方々で、メンタルトレーニングのような、心へのアプローチを使っていない選手はいない時代になってきています。

どれだけ体を鍛えても、理想のフォームで動けるようにトレーニングしても、心がブレーキになる、逆に、心が体を大きく動かしてくれることが証明されているからです。

私たちが幸せを感じるのも同じ。

状況だけではなくて、そこに幸せを感じられるかどうかが大切なポイントなんです。

私はカウンセリングの中で多くの方とお話しさせていただき、何人もの方から直接

「状況が恵まれていても幸せを感じない」

というお話を伺ってきました。

ある実業家の方は、何もしないでもお金が毎月入ってくる生活ができているのに、全く生きている感じがしない。

何をやってもつまらない。この先、どうして生きていけばいいのかわからない。

と深刻に悩んでいました。

状況だけではなくて、幸せを感じられるかどうか。

今回から数回に分けて、幸せを感じることについて、お伝えしていきます。

(続く)

次回の記事>>>幸せを感じるのは「状況」ではなく「感情を感じる」時(2)

私の提唱する「自立三点セット(我慢強い、弱音が吐けない、一人でやってしまう)を手放すと幸せになれる」お話。

よろしければ、こちらの記事もご覧いただけたらと思います。

>>>「池尾昌紀の『シリーズ・自立三点セットの心理学』」 

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