心理学では「アカウンタビリティ」という言葉が時々出てきます。
これは「私達に起こることはすべて私達が選んだ結果」という考え方のことなんです。
この考え方をうまくつかうと、自分が目的を達成したり、進んでいくことに、とても活かすことができると言われます。
「アカウンタビリティ」という言葉を、一般的に検索などをかけてもらうと出てくるのは「説明責任」という言葉です。
心理学では「説明責任」という意味ではなくて、「自己責任」とか「責任の概念」といったりします。
日本語で「責任」、というと、責任のある地位につくとか、仕事の責任を負うとか、そいういった表現をすることが多いように思います。
重いものを背負っているような、あるいは、何かによって自分の心が縛られている感じ。
そんなイメージを持たれる方もおられるのではないでしょうか。
そうすると、自分がやってきたことがすべて自分の責任であり、怠けたら怠けた分だけ成果はあがらない、みたいなネガティブなイメージになることもあるかもしれません。
でも、ここでいう「アカウンタビリティ」とは、自分に責任があるという視点によって、自分を自由にすることができるというものの見方なんですね。
「もし、今の状況が自分が選んだ結果である、という見方ができたとしたらどうだろう?」と仮定して見てみます。
すると、うまくいかないことがあったら、自分が選んだことだ、ということになりますよね。
これを逆に考えると「うまくいくと自分が選べば、状況もうまく変えることができる」と見ることができます。
逆説的な話なのですが、自分がいいものや良い方向を向いて、それを選んでいくことが、問題を解決したり、目的を達成することに役に立つ、と言うこともできるはずなのです。
私達は、問題が起こったり、物事がうまく進まない時に、誰かのせいや、状況のせいにしてしまいがちです。
それが悪いということではなく、ある意味、それは当たり前のことですよね。
でも誰かのせいや、状況のせいにしていても、今、滞っている状態は変わるわけではありません。
別の見方をすれば、誰かのせいや状況のせいにすることで、進むことを止めてしまっている場合もあるのですね。
例えば、こんな話。
CくんとDくんという二人の男性から告白されたA子さん。
どちらを選べばいいか迷って、友達のB子さんに相談してみました。
するとB子さんは、「私は、Cくんがいいと思うよ」とアドバイスを受けたとします。
そこでA子さんは、Cくんとお付き合いすることにしました。
ところが、CくんとA子さんの恋愛はうまくいかず、別れてしまったとしましょう。
その時、A子さんは「あの時、B子さんがCくんがいいと奨めたから、この恋愛はうまくいかなかったんだ。」と思って、B子さんのことが嫌いになってしまいました。
A子さんとCくんとの恋愛の中には、お互いに学ぶべきことがあったかもしれません。
相手に依存しすぎたとか、自分の気持ちを重視しすぎたとか、束縛しすぎた、逆に放置しすぎた、など、恋愛がうまくいかなかった時には、いろいろな学びがあることが多いのですね。
でも、もし、A子さんが、ずっとこの恋愛がうまくいかなかったことを、B子さんのせいにし続けてしまったらどうでしょう。
自分が学ぶべきことに目を向けないで、誰かのせいにし続けていると、次に恋愛をした時に彼との間で同じ過ちをしてしまうかもしれません。
あるいは、恋愛そのものを遠ざけてしまうこともあるかもしれません。
でも、A子さんがこの恋愛は自分が招いたものだ、というアカウンタビリティの視点を持つことができたら、自分の恋愛について成長できる機会に使うことができ、次の恋愛に進んでいくことができるチャンスにすることができます。
これは少し極端な例ですが、アカウンタビリティは恋愛に限らず、人間関係、仕事がうまくいったり、目標達成のための大きな力にすることができる視点です。
(つづく)
>>>アカウンタビリティってどういう意味?(2)に続きます。